旅人の手記 三冊目 ‐ 蝉海のブログ -

日常のよしなし事や、マンガ・アニメ・ライトノベルなどのポップ・カルチャーに関する文章をつらつらと述べるブログ。その他の話題もたまに。とっても不定期に更新中。

TUBEは冬の曲も良い

PCやっているときによく音楽を流す私ですが、
最近では大学近くの図書館で借りてきた、
TUBEの『WINTER LETTER』というアルバムが気に入っています。

皆さんご存知の通りに、
TUBEと言えば夏をテーマにしたヒット曲が多いことで有名ですが、
これは2年前、タイトル通り冬にリリースされたオリジナルアルバムです。
コンセプトが冬というだけあって、しっとりとしたバラードが殆どで、
歌詞の内容も重いものや、冬らしく寂しげなものが多いです。
夏のアップテンポなイメージが先立ってしまうバンドですが、
元々彼らの音楽性はバラエティ豊かで、
それはシングル曲のラインナップを聴いても一目瞭然です。

さて、私がこのアルバムの曲で特に印象に残ったのは、
最後に収録されている『償い』というタイトルです。
この曲、歌詞がとにかく重いのですが、それはメッセージ色が強いからなのです。
一番心に響いたのが、

「家族さえ愛せずに 祖国や地球が愛せるのかな」

というフレーズですね。
私達は自分の都合の良いように事が運ばないと、
世界だとか社会だとか、こういう大きな問題を持ち出して、
それに「愛」だとか「平和」だとか「表現の自由」「公共の福祉」だとか、
そういった大義名分を掲げ、
今の自分やその近くのものに目を逸らしてしまいがちです。
先日も衆議院議員選挙が行われて、
ネット右翼と呼ばれるような人達が一部で騒いでいたようですが……。
それほど、家族或いは地元のつながりというものが希薄になっていること、
あるいはそうした不信感を抱き易い環境に、若者が置かれているのでしょうか?

他にもこの曲には、

「汚された蒼い海 十年百年もとに戻れない」

「夢を言い訳にして 争い合ってきた」

「守ろうとしたもの 気付けばこの手で 握りつぶしてしまった」

などといった、
印象深く且つ重たく圧し掛かるようなフレーズがたくさん出てきます。

個人と社会の相関性など、色々と考えさせられる一曲でした。
私の中のTUBEに対するイメージが、より敷衍されたものになりましたよ。

それでは、お休みなさい。