旅人の手記 三冊目 ‐ 蝉海のブログ -

日常のよしなし事や、マンガ・アニメ・ライトノベルなどのポップ・カルチャーに関する文章をつらつらと述べるブログ。その他の話題もたまに。とっても不定期に更新中。

私のマジック(MTG)遍歴(2)

私がマジック(MTG)のカードを本格的に集めていたのは、
先の日記でも書いたように、小学校4年生から卒業するまでの間です。
それからも少しは買っていましたけれども、もうほとんど興味はなくなっていました。
カードセットで言えば、レギオン(2003年初頭)の辺りですね。
次のエキスパンションであるスカージになると、もう全然買わなくなってしまいました。
所持しているカードの総数は、4000枚〜5000枚ほど。
そんなに集めたというのに、どうしてここに来てぱったりとやめてしまったのか。
その理由は色々考えられますが、主たるところは次のようなところではないでしょうか。


1. 対戦相手がいなかった

最も単純な理由は、これです。
やはり小学生でマジックをやっている人間は、まずいません。
同じ学年の友達とかに色々訊き回った記憶がありますが、
「名前だけでも知っている人が、クラスで十人に一人いるかどうか」
くらいの比率だったように憶えております。
プレイまでしている人は、おそらく私の学年で一人もいなかったことでしょう。

あの当時は、コロコロコミックで『デュエル・マスターズ』が連載されていて、
トレーディング・カードゲームが全体的に隆盛していたとはいえ、
いかんせんマジックは、子供には難しすぎました。
マジックは「遊戯王」などの他のカードゲームに比べても、
ルーリングやカードの効果がかなり複雑であり、大人でも取っ付きにくいものであります。
また外見的なイメージでも、子供には興味・関心を惹き辛かったのでしょう。
マジックのバック・ストーリーや、それを反映したリアルなカードのイラストは、
明らかに重厚な海外ファンタジー・SFのそれであり、
ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『ゼルダの伝説』といった
ライトなイメージのファンタジー作品に慣れ親しんだ子供たちにとって、
このマジックの世界観は取っ付きにくかったのかもしれません。

私は当時、ポケモンカードなど他のカードゲームもプレイしており、
カードショップにもよく行っていました。
けれども、デュエルスペースで対戦している人達の殆どが高校生以上であり、
年齢も彼らと離れていた私は、
仲間内で盛り上がっているその輪に加わることはできなかったのです。
また参加費がかかるために、大会に出ることもできませんでした。
DCI(マジックを開発するウィザーズ・オブ・コースト社の公式競技組織)の本部では
フリー対戦もできたそうですが、
これも会費がかかるため、結局行くことはありませんでした。
親に頼んでも、ただでさえカード代やイベントの交通費を出してもらっているので、
これ以上参加費などで出費することは、許してくれなかったのです。

身内にもマジックをプレイする人はおらず、
そんなこんなで、小学生の頃は結局一度も対戦しないまま、
マジックを卒業することになったのです。

初めて人と対戦したのは、それから数年経ってのことです。
高校の頃、よく生徒会室に遊びに来ていた先輩と、二回だけ対戦をしました。
一戦目は、私が「ファイアーズ」を使うのに対し、
相手が『ティンバーメア』などを切り札とした「ストンピィ」でした。
二戦目は、私が「黒単リアニメイトビートダウン」、相手も「黒単」でしたね。
二戦とも、私が勝ちました。

そして、一昨年の夏にネットの知り合いの方から
大会用のデッキのスパーリングをお願いされて、
借り物のデッキで三戦……。
これは全然知らないカードばかりで、使ったカードも殆ど憶えておりません。

都合、私はこの11年間で5回しか対戦していないことになります。


2. カード枠のデザインが変更された

2003年7月に基本セット第8版の発売を機にマジックは、
カードのイラストや文章欄の枠や背景のレイアウトを一新しました。
全体的に、やたらシャープで現代的なデザインになり、
従来のような、重厚的な意匠からはかなり離れたものとなったのです。
参考・上が旧枠、下が新枠)

個人的には、旧枠の「呪文書から直接切り取ってきたかのような趣」
のあるデザインを私はいたく気に入っていたために、
この変更はかなり衝撃を受けました。
前のデザインが好きだった私としては、
どうにもこの新しいデザインには馴染めず、
美術的な観点でも、マジックへの興味は大幅に削がれてしまいました。


3. 『デュエル・マスターズ』がマジックのマンガじゃなくなった

私がマジックを始める動機となった『デュエル・マスターズ』ですが、
これは作品の途中から「デュエル・マスターズ」という
オリジナルのカードゲームを主題としたマンガになってしまい、
マジック・ザ・ギャザリングのマンガではなくなってしまいます。
時期でいうと、2001年の終わりですね。

私はこのことに、ひどくショックを覚えました。
何でこんな変更をしたのかは、原作サイドがその理由を明かしていないため、
未だに分からないままです。

そして肝心のマンガの内容ですが、
マジック編からデュエル・マスターズ編になった途端に、
完全に精彩を欠いてしまいましたね。
元々このマンガはかなり破天荒な描写が多く、
連載当初からマジックのプレイヤーより度々不況は買っていました。
ですがそれでも、ストーリーの山場であった四天衆編などは
それなりに人気がありましたし、
何より作品のクォリティ自体に光るところが大いに見受けられました。
もし、本作がマジックのマンガであり続け、
かつ最盛期のような充実した内容を維持することができたならば、
私のマジックに対する興味も持続したかもしれません。


4. 他のことに興味が移った

元々、テレビゲームが大好きだった私ですが、
中学になると、『ロマンシング・サ・ガ』や『Card Wirth』などといった
さらにコアなゲームをやり始めるようになりました。
また、トレカゲームに関しても、
以前よりやっていたポケモンカード一本に集中するようになりましたね。

このように、他のゲームに興味が移ってしまい、
そちらの方に時間とお金をかけるようになり、
結果的にマジックのカードを買う機会は徐々に減っていきました。


つらつらと述べてまいりましたが、
こうしたいくつかの要因が重なって、私は次第にマジックから離れていったのです。

今後ですが、復帰するつもりは当分のところありません。
とにかくこのゲームはお金がかかるので、金銭的に苦しい現在では不可能です。
また、私が買い集めていた当時よりも、
カードのパワーが全体的に上昇しているようですし、
復帰したところで、以前のように楽しめるかどうかは疑問です。
もし、またやり始めるとしても数年先になるでしょうね。